コフキトンボ 2001.7.8 東京都

 挺水植物の茂る開けた池沼に見られる、シオカラトンボを寸詰まりにしたような感じのトンボ。実際はシオカラトンボからは縁遠く、習性もかなり異なる。


 コフキトンボは環境によっては全く見られない所も多いので、そういう所ばかり歩いていると珍しいように感じてしまうこともあるが、ガマの茂る沼地のような場所ではごく普通種で、河川敷のワンドや水溜りのようなところにもよく住みついてる。シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、シオヤトンボの3種は近い仲間で、止まり方などの習性も似ているが、コフキトンボはちょっと違う仲間に入る。体のバランスから言って複眼が大きく、腹部が短い。シオカラトンボがよくやるような、羽を伏せて地面や石の上にベタっと張りつくような止まり方をせず、大抵このように植物に止まっている。またしばしばこの写真のように腹部を下げてへの字形の姿勢をとっていることがある。そしてなかなか写真にはうまく出てくれないが、透明な翅が近くでよく見ると紫がかった独特の光沢を放っていて結構美しい。 
 

▲♂ 2001.7.8 東京都



 

▲♀ 2001.7.8 東京都


▼未熟♂ 2002.7.10 神奈川県

 ここは河川敷にできた水溜りで、昨年いくつも成虫がいるのを確認していたが、今年は羽化殻も確認できた。ここは昨年の秋、一度は台風で濁流の下に沈んでいたようで、台風の後に行った時は植物は全て下流を向いてなぎ倒され、泥をかぶって無残に白茶けていた。毎年こうなるせいか、どうもトンボの数は少ないままで一向に増えないようだが、それでもちゃんと生き残っている個体はいるようだ。



 



 


▼オビトンボ型♀



 


 オビトンボ型♀はこのようにまるで別種のように見える。この時はトンボ採りに来ていた近所の子供達がこれを見て「あっ,ベッコウだ!ベッコウだ!」と大騒ぎしていた。本当にベッコウトンボがいたら大発見なのだが、これだけ色彩が違っているとたしかにその気持ちもわからないではない。東京近辺では本種がある程度まとまった数が生息している所では少数ながら見られることが多いようだ。






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