カトリヤンマ 
2001,9,6 神奈川県川崎市

 
 
   丘陵地や低山地の水田などで発生する中型のヤンマ。昔は水田の近くの笹薮などで沢山見られ、人家に飛びこんで来たりもし、農村ではごく身近な存在だったようだが、近年特に減少が著しく、都市周辺ではずいぶん見つけにくくなってしまった。東京近郊の公園の池などにも意外とよく生き残ってるヤブヤンマなどに比べ、私にとってこのトンボは「田舎ヤンマ」とか「谷戸ヤンマ」とでも呼びたくなるような、昔ながらの農村風景が似合うトンボというイメージがある。6、7年前だと思うが、横浜市の谷戸で道に迷って薮漕ぎをしたら偶然一頭の♂に出会った。その時はここにはカトリヤンマがいるのかと喜んだものだが、どうも本来はこんなものではなく、かつては谷戸の丘で薮漕ぎなどしようものなら続々と飛び出して来たりしたものらしい。現在残っている風景から想像するに、かつての多摩丘陵はまさにこのトンボの天下だったのではないかと思うが、私がトンボを探し始めた頃には多摩丘陵東部ではすでにかなり減っていたようだ。

 今回は久し振りに会いたくなって、水田に面した丘の笹薮などを探してみたが、やはりウヨウヨいるなどという状況には程遠いようで、なかなか見つからなかった。とりあえずいかにも本種の好きそうな、薮の中に伸びる細い道があったので、その道の途中でしばらく様子を見たが影も形もない。実はここでも居なくなっているのでは・・・と不安がよぎる。しかしその後目の前の笹薮でパリパリと羽音がしたかと思うと中型のヤンマが飛び出してきた。そのヤンマは笹の茂みや木々の葉先を丹念にチェックして回っている。おそらくカトリヤンマの♂の探雌飛翔に間違いないと思ったが、すぐに見失ってしまった。その後しばらく待ったが戻ってこないので、念の為もう少しその道を登っていくと、道に面したシラカシの低木にぶら下がっていた。少し高さがあったので、例によってデジスコで撮影したが、さすがにちょっと暗かった。

 なおこの日近くの小さな休耕田の湿地で複数のルリボシヤンマを目撃した。この谷戸も所々廃田がクズ原と化していたり、畑に変わっている所が目立つ。田んぼが休耕になるとやがて低い草の茂る湿地となり、ヒメアカネや時にはルリボシヤンマが現れたりするようだが、さらに年月が経つと湿地は陸化して、トンボは住めなくなることが多いようだ。






 
 

[PR]人気のコラーゲンゼリー!:今だけお試し5本セットが500円送料込